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WORKS

Creative Independence Performance Series Vol.1

Project details

ANTIBODEIS presents ALVIN LUCIER / Ever Present Orchestra

DATE:2018/4/1(Sun.)

PLACE: 京都大学 西部講堂

LIVE Performance

Alvin Lucier
Bernhard Rietbrock – E-Guitar
Oren Ambarchi – E-Guitar
Gary Schmalzl – E-Guitar
Jan Thoben – E-Guitar
Felix Profos – Piano
Trevor Saint – Glockenspiel
Rebecca Thies – Violin
Christina Moser – Violin
Cécile Vonderwahl – Violin
Azat Fishyan – Violin
Valentine Michaud – Saxophone
Joan Jordi Oliver Arcos – Saxophone
Charles Ng – Saxophone

□ANTIBODEIS Collective Peformance

演出/音楽:カジワラトシオ

演出/振付/出演:東野祥子

美術:OLEO

出演:ケンジル・ビエン、加藤律、みなみりょうへい、マツキモエ、菊池航、川瀬亜衣

美術スタッフ:ヤノタカオ、西村立志、Moriken

音響:佐藤孔治 (Slim Chance Audio)

照明:藤本隆行(KinseiR&D)

協力:月桃食堂、村屋、西部講堂連絡協議会

主催 : ANTIBO HQ

1931年、アメリカ・ニューハンプシャー州に生まれたアルヴィン・ルシエは、66年にはロバート・アッシュリー、デヴィッド・ベアマン、ゴードン・ムンマ等とソニック・アーツ・ユニオンを結成し、北アメリカにおける実験音楽の中心的存在となりました。68年から現在に至るまでウェスリアン大学の音楽科教授を務め、世界的な教育者としても知られています。実験音楽やサウンド・パフォーマンスといった未聞の概念の形成に貢献したその作品群は、音という現象を介して人と環境の関わりを探求する新しい芸術として高く評価されてきました。「私は部屋に座っている」というルシエの声の録音から始まる1969年の作品は、自らの声の録音と再生を繰り返すことで、その空間に特有の周波が偏在することを露わにするというものでした。「事象の中以外に観念は存在しない」と言ったルシエの思想を良く表していると言えると思います。他にもマイクのフィードバックにおけるヘテロダイン効果に着眼した「鳥と食卓の人」(1976)、大型のアンテナ機構とラジオ受信機により電離層の音を届ける「Spherics」(1981)、脳のアルファ波を電気的に拡張して楽器などを共鳴させるフィードバック機構による「ソロ・パフォーマーのための音楽」(1965)など、環境や自然現象への科学的な洞察からはじまり、行為へ、そして音へと展開して、やがて的確で簡潔な言葉へ帰結していくこのような初期作品群は、アイデアの原石のようなものとして、芸術全般から思想哲学に及ぶ多くの人に多大な影響を与えて来ました。ルシエは2018年のツアーを最後の海外遠征としており、惜しくもこれが日本で最後のパフォーマンスとなりました。日本における実験音楽を含む先進的パフォーマンスの精神的故郷である西部講堂が、アルヴィン・ルシエが最後に日本で演奏する場所になるとは心が震えます。また、アーティスト・コレクティヴである私たちが、西部講堂と同様に自主的な自治と自由の精神のもとに、既存の体制に頼らずとも文化芸能の復権と継承の運動を担うことを掲げ主催するイヴェント・シリーズの第一回目となったことも感慨深いものがあります。
(カジワラトシオ)

★PROFILE★
Alvin Lucifer アルビン・ルシエ
20世紀後半のアメリカ音楽の最たる代表者として、アルヴィン・ルシエの先駆的研究は、通常は聞こえない音を可聴化する試みとして最も顕著であるが、何よりも非常に特異な形で音を可視化したり、空間を有形化するその手法において特徴的である。1950年代を通じて彼の作曲法は欧州の古典的な技法を軸としたが、1965年に始まったライヴ・エレクトロニクスの時代から1982年に至るまで、ルシエの楽曲は全て言葉によって表されていた。これらの言葉は伝統的な意味における音楽的概念のコード化として理解されるのではなく、音の現象、もしくは音響的に生成される現象を明らかにする集中的な実験状況の設定として理解されるべきである。 1970年代に始まったサイン波を使った作品群はさらなる発展を遂げ、1982年以降の古典的楽器のための楽曲群は、かつての電子的に育成された音波と古典的な楽器の音波の干渉によって導き出される状況の研究を基礎とした作曲方法の延長線上にあると言える。伝統的な演奏の技術、表記法、通常のコンサートといった場面への復帰、親しみ深い環境や楽器を使用することは、これらの楽曲が音楽の通念を大きく逸脱したルシエの根本的な美学を際立たせる作用を意図して作られていることを表す。ルシエの作曲に関して特に強調すべきは、「概念は物事のなかにしか存在しない」ということ、言い換えれば、それは空間そのものに内在する概念の解放性という、古典芸術のロマン主義や従来の音楽の概念を逸脱した眼差しであり、ルシエの実験的な楽曲群は、音という現象、そして知覚そのものを如何に知覚するかということについて絶えず言及している審美的な反射である。
Ever Present Orchestra
エヴァー・プレゼント・オーケストラは、アルヴィン・ルシエによって作曲された類稀なる作品群の演奏に特化した演奏家集団です。 オーケストラはルシエによるビート・パターン(共振現象)に重点を置いた楽器音楽を、4人のエレキギター奏者、3人のサクソフォン奏者、4人のバイオリン奏者とピアニストという珍しい楽器構成で、幅広い聴衆に届けようとしています。 古典西洋音楽の演奏者たちと並んで、ステファン・オマーリーやオーレン・アンバーチなど、ルシエの作品を独自に解釈してきた演奏家たちの存在により、アンサンブルは従来の現代音楽シーンよりも広いオーディエンスにアピールすることに成功しています。

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